こんにちは、工学博士サラリーマンのたつ吉です!
企業が求める人材とは?とweb検索すると、
リーダーシップ・コミュニケーション能力・向上心…というのが出てきます。
確かにそうです。間違っていません。
ただ、その能力は何で必要で、どういう場面で企業の役に立つのか?
想像しにくいですよね。
そこでこの記事では
研究開発/製品製造を行う民間企業を例にして
「企業がこの人を採用したい!」を感じる人材とはどんな人か?について具体的に解説します。
「企業が求めるものなんて、受ける会社によって違うんじゃないの?」
と考える人も多いと思います。
たしかに、企業ごとに好みのタイプが異なるのは事実です。
ただ、<利益を生み出すために大人数で運営している組織>である以上、
コレは欠かせない!という根本的な要求ポイントはどこもほぼ同じです。
その証拠に、就活上手な人は何社も内定もらってたりしますよね?
企業が要求する能力には、明確に共通点があるということです。
この共通点を理解するために、
本記事では以下の3点について解説していきます。
- 理系民間企業の組織構造
- 企業の『うれしさ』とは何か?
- 企業に『うれしさ』を提供できる人材=採用したい人材

企業の『うれしさ』が理解できれば、就活の解像度がグッと上がります!
この記事が、学生時期には想像しにくい「企業人の立場や考え方」を
イメージすることの助けになれば幸いです。
なお、技術系採用面接でよく聞かれる質問と好印象な回答のポイントについては、こちらの記事で解説しているので、是非参考にしてみて下さい▼
企業の組織構造
企業が求める人材を理解するにはまず、
企業がどんなところなのか?をちゃんとイメージする必要があります。

回りくどいですが…必ず役に立つので説明していきますね!
みなさんが就活の対象とする企業というのは、一言でいうと
「利益を生み出すことを目的として、大勢の大人が集まって運営している組織」のことです。
この記事は、理系修士学生を対象としているので、
研究開発や製品製造を行う化学メーカーを事例としてイメージを膨らませていきましょう。
まず大前提として、企業では研究~販売までを一人でこなすことはありません。
研究 → 製造 → 営業 → 販売をそれぞれ部署というユニットに分けて分担しており、
各部署が密に連携しながら日々の業務推進しています(特許出願を担当する知的財産部署、総務等の事務系部署は簡略化のためにここでは省略します)。

研究室に例えると、実験/論文執筆/実験器具や試薬購入を
それぞれ別の人が担当しているようなものです。
これは、全てを一括して1人がやるより、それぞれに特化した人材に任せた方が効率や仕事の質が高いからです。
また、部署はさらにいくつかのグループという小集団に分けられ、
その中に個人(あなた)がいるようなイメージとなります。

次に、企業/部署/グループ/個人のそれぞれの役割を見ていきましょう。
企業の役割
この企業(化学メーカー)の役割は主に以下の3つです。
①化学製品を通じて、顧客に価値を提供する
②できるだけ多く売り上げて、会社を大きくする
③従業員の安全/健康/生活を守る
これらを企業全体で取り組みますが、
①製品価値の創出:研究や製造部署がメインで担当
②売上アップ:営業や販売部署がメインで担当
③企業ルール制定と実施:事務系部署がメインで担当
というように各部署で分担し、最終的な意思決定を社長や役員がするという流れで企業を運営していきます。
部署の役割
次に、この企業内の研究開発部署にフォーカスします。
研究開発部署の役割は、
研究や新製品開発を通して、企業の役割達成に貢献することです。
より具体的には↓
・製品の開発方針を決定する
・他部署からの情報をもとに開発方針を都度調整する
・下に紐づくグループの活動を監視し、進捗を役員らに報告する
部署が決定する開発方針とは、開発の方向性みたいなものです。
例えば「ここからの1年間はプラスチックフィルムの開発に力を入れる!」といった開発の大枠です。
また、営業部署などから入ってくる市場情報をもとに、
「めちゃくちゃ薄いプラスチックフィルムの開発にフォーカスしよう!」という具合に、方針の舵取りをすることも大事な役目です。
これらの決定は、次に説明する<グループ>の意見も取り入れつつ、部署長が責任を持って行います。
グループの役割
研究開発部署の中にあるグループの役割は、
部署が設定した開発方針を実現するための研究テーマの設定と個人の管理です。
より具体的には↓
・部署の開発方針に沿った研究テーマを設定し、人材を配置する
・部署内外からの情報をもとに、テーマ設定や人員配置を定期的に見直す
・下に紐づく個人の進捗を把握し、部署長へ報告する
部署が立てた「プラスチックフィルムの開発に力を入れる」に対して、
もう一段具体化した研究テーマを設定します。
例えば、
・耐熱性の高いフィルムの研究
・着色フィルムの研究
・電圧をかけることで見た目(透明/曇り)をスイッチできるフィルムの研究
といった具合に、市場ニーズやトレンドを抑えたものを考え、
部長承認を得たうえでグループ長(課長)が研究テーマを個人に与えます。
個人の役割
最後に個人(あなた)の役割を考えてみます。
・研究テーマの実働として実験/考察/改善を行う
・関係者とコミュニケーションをとりながらテーマを前に進める
・テーマ進捗を正しくグループ長に報告する
・経験を蓄積して成長し、後進を育成する
個人の最大の役割は、研究テーマの担当者として開発を前に進めることです。
そして、最早に成果物を作り出し、次のステップである製造部署へ引き渡すことです。
これを円滑に進めるためには、製造部署の担当者と密に連絡を取り合い、
認識のズレが無いようすり合わせながらテーマ推進することが重要です。
また、一人よがりな研究の進め方にならないよう、テーマ関係者や上司に対して進捗報告して、適宜アドバイスをもらう必要もあります。
当然、進捗報告にはデータを資料にまとめる必要ありです。
さらに、中長期的に見れば、あなたは課長→部長になっていってもらいたい人材(そう思って採用される)です。
なので、これらの業務の中で経験・勉強・成功・失敗を積み重ねて成長し、部下を育てられる人材になっていくことも大事な役目です。
企業の『うれしさ』とは何か?
では企業の『うれしさ』とは何か?について説明します。
上記の組織構造・各組織の役割が分かったことで、すでに察してもらえているかもしれません。
企業の『うれしさ』とは、個人が与えられた役割をしっかり果たすことです。

何を当たり前のことを(#゚Д゚)と思われたかもしれません。
もう少し説明していきます。
個人の役割は、<グループの役割>の一部であり、
グループの役割は、<部署の役割>の一部です。
最終的に、期待した<部署の役割>果たされれば、企業の役割が達成されます。
企業が役割をきちっと達成できることこそが、企業の『うれしさ』なのです。
就活で大きな企業を受ける時ほど、企業と個人がかけ離れている気がしてイメージしにくくなりますが、個人の仕事が企業をうれしくすることは十分可能です。
というか、採用活動において企業は、
『うれしさを提供してくれそうな人』を採用したいと考えているのです。

ここをちゃんと意識している就活生は、意外と少ないと思いますよ!
企業が採用したい人材に共通する能力
ここまでで、企業が採用したい人とは、
個人の役割を果たせる人だとわかりました。

では、個人の役割を果たせる人とは、どのような能力を持つ人でしょうか?
以下で説明します。
上記で説明した個人の役割を再掲したうえで、それぞれ必要な能力を追記します↓
・研究テーマの実働として実験/考察/改善を行う
⇒研究能力、問題解決力
・関係者とコミュニケーションをとりながらテーマを前に進める
⇒コミュニケーション能力、リーダーシップ
・テーマ進捗を正しくグループ長に報告する
⇒資料作成能力、状況判断力
・経験を蓄積して成長し、後輩を育成する
⇒向上心

就活では、これらの能力を推せるエピソードを話すように意識しましょう!
最後にこれら7つの能力の発揮イメージを見ていきます。
研究能力
研究開発を行ううえで最も基礎的かつ必須の能力です。
- 化学や物理などの基礎知識
- 文献調査スキル
- 評価/分析スキル
- 研究室で培った専門知識
これらを総合して研究能力と言えるでしょう。
企業の事業分野と自身の専門分野が違っても問題ありません。
むしろ「新し視点で考えてくれる人」として重宝される場合もあります。
問題解決力
仕事を進める中で、失敗や壁にぶつかることがあります。
工夫を凝らして、この壁を突破する能力が問題解決力です。
もっというと、
- 簡単に諦めない忍耐力
- 知恵を絞って打開策を立案する力
- 打開策を実行にうつす行動力
就活では、問題解決力が一番に重視されていると筆者は考えています。
コミュニケーション能力
企業では非常にたくさんの人と関わりながら仕事をします。
なので老若男女や役職に関わらず、誰とでも円滑なコミュニケーションをとれる人が求められます。
ここで、コミュニケーション能力=うまく話せる人
では無いということに注意が必要です。
相手の話を引き出し、ちゃんと聞く力は話す力と同じくらい大事です。
採用面接の「逆質問」では、聞く力も試されていると思って下さい。
リーダーシップ
言わずもがな、周囲を巻き込みながら目標達成に導く能力。
入社直後から発揮するというよりは、入社後数年後に小集団のリーダーを任せられるか?
という視点で就活では見られます。
学生時代とは異なり、企業に入ると<年上の部下>というのは珍しくなく、
入社後に初めてリーダーになる というのはなかなか難しいものです。
どんなに小さなものでも、学生時代にリーダーとして活動した経験があれば強みになります。
資料作成能力
自身の考えや成果を、相手に理解させるための道具(資料)を作る力です。
会社での進捗報告は、Wordを使った報告書スタイルやPowerPointを使ったプレゼン方式が多いです。
文法が正しいこと、誤字脱字が無いことは当たり前。
図の色使いや文字の配置などのセンスも大事です。
正直、「自分だけ理解できていれば、周囲は置いてけぼりでもOK」という考え方の頭キレキレ人材も一定数います。
【研究ができる人】とは、優れた研究データを生み出すことに加えて、
周囲に理解できる表現でデータやその魅力を説明できる人を言います。
就活時、企業側はエントリーシートの出来栄えでこの能力を判断することになります。
状況判断力
自身や周囲の状況を正確に把握し、意思決定・行動する力です。
企業におけるこの能力の活用例は以下のようなものがあります。
- 相手の立場や知識レベルを判断し、使う言葉や説明の順序を調整する
- 担当テーマに関連する新たな情報が入ってきた時、次にやるべきことの優先度を素早く判断する
- 社内外の打合せの際、質問の意図を正確にくみ取って的確に回答する
採用面接の場では、面接官の質問の意図を正確にくみ取り、
自身が持つエピソードの中から好印象に受け取ってもらえそうな回答を用意するために必要なのが、この能力です。
就活では、状況判断力が二番目に重視されていると筆者は考えています。
向上心
現状より一段高い目標を設定して、そこに向かってポジティブに挑む力です。
上でも書いた内容と重複しますが、
企業は採用した人材が経験を積んで成長し、リーダーに育つのを期待しています。
成長の主たるエンジンは「向上心」ですので、これが無いと企業は困ります。
成功体験はもちろん、苦しい状況すら「これも学びの一つ!」と
ポジティブな人は、成長が早いことに加えて求心力も高いです。
まとめ:個人の役目を理解し、『うれしさ』を提供する人材になろう!
今回は、企業の組織構造や中で働く人の役割をイメージしたうえで、
企業はどういう人材を採用したいのか?について解説しました。
- 企業は『うれしさ』を提供してくれる人材を採用したい
- 『うれしさ』とは、企業が社会的な役割を果たせた状態のこと
- 企業の役割達成には、個人(あなた)が役割を果たす必要がある
- 理系修士人材が個人の役割を果たすためには、以下の7つの能力が必要
①研究能力
②問題解決力
③コミュニケーション能力
④リーダーシップ
⑤資料作成能力
⑥状況判断力
⑦向上心
上記の7つの能力は、企業人においてどれも非常に重要です。
つまり、就活でどの企業を受ける場合でも共通して求められる能力です。
これらの能力は一朝一夕に身につくようなものではありません。
ただ、意識しながら生活すればどれも伸ばせるスキルだと思います。
これらの能力の伸ばし方については、近日中に記事にまとめようと思いますので、お楽しみに!
この記事が、就活準備の参考になることを願います!
以上、工学博士サラリーマンのたつ吉でした
最後まで読んでいただきありがとうございました!
