こんにちは、工学博士サラリーマンのたつ吉です!

この記事では、

博士課程在籍時に経験した約3カ月間の海外留学が、
その後の人生にどのような影響を与えているかについて記します。

本記事は、以下のような人におすすめです↓

  • 博士課程へ進学するか迷っている学生
  • 海外留学に行くべきか?と悩んでいる博士学生
  • 海外留学のメリットや、現地でのおススメの過ごし方に興味がある人

「海外留学できるチャンスが多い」のは、博士課程進学における大きな魅力の一つです。

実際、中期留学を経験した博士卒人材が「借金してでも留学は行くべき」と口を揃えるほど、その経験の満足度は高いです。

とはいえ、博士学生が中期留学した後、その経験がどう活きていくか?については、イマイチ共有されないコンテンツかと思います。

そこでこの記事では、筆者の実体験に基づき、以下の内容について説明していきます。

この記事で分かること
  • 留学後~博士課程修了までに感じられるメリット
  • 社会人になってからも続く『人生における』メリット
  • 留学のメリットを最大化する方法

たつ吉

私の実体験を共有して、誰かの参考になれば嬉しいです!

なお、筆者が留学中に作成していた留学体験記を全33記事で紹介しているので、興味のある人は是非見てみて下さい▼

博士課程の中期留学とは

まず、『博士課程の中期留学』について説明します。

博士課程における中期留学とは:
博士課程に在籍する学生が2~6カ月程度の期間、海外の大学や研究機関に滞在し、現地で研究活動を行うものです。

語学留学のように海外で英語を学ぶことが主な目的ではなく、海外の研究者と一緒に研究を進め、知見や視野を広げることが大きな目的と言えます。

留学先はどうやって決めるか?

肝心の留学先については、所属研究室の教授のつながり(人脈)を通じて、海外の研究室に受け入れてもらうというのが多いパターンです。

実際に筆者は、気になる海外研究室をいくつかリストアップして、教授に「これらの研究室に行ってみたいのですが、連絡取れたりしますか?」と聞くところから始めました。

幸いにも、リストアップした研究室の一つが「受け入れOK!」と快諾してくれたことで、留学先が決定しました。

たつ吉

教授のツテでドイツの研究室に受け入れてもらえました!

留学準備~現地生活をスタートさせるまでの記録は、こちらの記事でより詳細に説明しています。
是非参考にしてみて下さい▼

住居はどうするか?

現地のアパートや寮を借りて、現地学生と同じように生活します。

そのため、渡航前に物件を探して契約する必要があります。
ヨーロッパや米国の有名大学へ留学する場合、『空いている物件がない…』と四苦八苦する学生も多いです。

たつ吉

私も借りられる物件が見つからず、「留学できないかも…」と焦った思い出があります

留学費用はどれくらい?

海外で数カ月間生活しながら研究をするため、以下の費用が必要です↓

  • 航空券代
  • 現地物件の家賃
  • 食費
  • 光熱費 etc.

留学先によって大きく異なりますが、3カ月で80~100万円くらいと見積もっておけば安心でしょう。

たつ吉

学生が準備するにはあまりに大金ですね…

しかし有難いことに、大学が設定する留学支援プログラムを利用できる場合が多く、金銭的負担を過度に心配する必要はありません(所属大学によって制度が異なるので要確認)。

大学の支援プログラムを利用する場合、研究プラン/研究結果/留学体験記といった書類の提出が義務付けられます。
やや手間ではありますが、留学費用の大半を助成してもらえる点で十分メリットがあります。
積極的に活用しましょう。

留学後~博士課程修了までのメリット

ここでは、中期留学を終えてからの博士課程生活で感じられるメリットを5つ紹介します。

語学力の向上

留学中は、基本的に英語を使って生活することになるため、英会話スキルはおのずと向上します。

研究室メンバーとの雑談やディスカッションに加えて、少なくとも一回は英語でのプレゼンテーション機会もあるでしょう。
また、現地での買い物や、スマホのSIM契約、市役所での手続きなども全て英語です。

この過程で、日本での英語学習では身に付きにくい、実践的なスピーキング/ヒアリング/ライティングの全てのスキルが向上します。

たつ吉

留学後に海外研究者とディスカッションする際のパフォーマンスは明らかに上がっていると感じました!TOEICの点数も80点上がりましたよ!

ただし、中期留学で上がった語学力の持続力はそれほど長くないのが実情です。
体感の持続年数は数年程度かと思います。

言語ですので、継続して使わなければ忘れてしまいます。
人生においてこのメリットを維持したければ、英会話スクールに通い続ける・日常業務で英語を使うといった、「英語に触れる努力」が必要であることは覚えておきましょう。

研究の興味範囲拡大

日本の研究室でいつも通り研究活動を続けていると、どうしても興味のある研究領域が凝り固まってきます。

実際、Aという物質の研究を行っている人は、物質Aの合成や応用、Aに類似する物質関連の論文を読んだり学会発表を聞いたりするくらいかと思います。

つまり、興味の幅はどうしても得意なカバー範囲の枠の中に納まりがちなのです。

たつ吉

少しマンネリ化を感じる時期もありますよね

一方、海外留学では多くの場合、いつもとは違う研究テーマを扱います。
これに伴い、普段は興味を持つこともなかった研究分野/領域に対して、半ば強制的に興味を持つことになります。

これにより、興味の幅や視野が広がり、留学後の研究活動がクリエイティブなものになっていきます。

たつ吉

研究はアイディアの組み合わせ方でいくらでも化けますからね!

生産性の高い研究スタイルを体感できる

留学して真っ先に面食らうのは、海外研究者のライフスタイルが日本とはあまりにも異なる点です。

より具体的には、海外研究者の生産性の高い働き方に筆者は驚愕しました。

例えば↓

  • 学生は9時~17時で研究室に来て、17時のチャイムで一斉に帰宅
  • 昼食後と15時に各1時間ずつ、研究室メンバーが集まってコーヒーブレイク
  • 家族や恋人の誕生日には研究室を休む
  • 教授も1カ月以上夏休みをとる

たつ吉

日本の研究室では考えられないスタイルではないでしょうか?

しかもこのような時間の使い方でも、しっかり成果を出し、学生は実力のある人ばかりでした。

実際、私生活が充実しているためか、研究室メンバーはいつでも機嫌が良かったのが印象的です。
リフレッシュして高い集中力を維持できるからこそ、生産性が高いのだと身を持って感じました。

筆者も留学中は、メンバーと同じようなタイムスケジュールで過ごしていました。
確かに日中に眠くなったり、不注意によるミスが少なく、生産性が上がっているのを感じていました。

たつ吉

帰国後は、研究室の通例ではなく、生産性にフォーカスした生活を意識しましたよ!

日常生活の幸福度が上がる

海外生活を経て改めて実感したのは、
『日本がいかに清潔/便利/ごはんがおいしい国か』でした。

これは実際に数か月間、海外で生活したからこそ強く実感できたものだと思います。

海外生活は楽しく刺激的でしたが、やはり日本のサービスやインフラ、食事には及ばないと感じました。

帰国後は、普段なら感じなかったちょっとした幸せ↓

  • 学食の定食がすごくおいしい
  • 駅のトイレがキレイ
  • 夜に出歩いても安全
  • 夜遅くでも飲食店が営業している

こういった「ただの日常」がありがたいものに感じられ、自然とご機嫌な状態で生活することができました。

博士課程の生活はいつでも時間に追われていて、気が付くと不機嫌になっていることが多いように思います。

ご機嫌で生活することは、周囲との人間関係を良好にし、研究成果の良し悪しにも影響します。

たつ吉

博士学生の機嫌は、研究室の空気に直結しますからね…

就活時の強み/武器となる

これは非常にシンプルですが、留学経験は就活時に強力な武器になります。

事実として、海外との関わりが全くない研究系の企業なんて、ほとんどありません。
まして、博士人材を採用する企業なら皆無だと言って良いでしょう。

なので、企業は『グローバルに活躍できる人材』を常に欲しています。

留学は誰かに強制させれて行くようなものではありません。

そこで企業は、
留学経験がある人 = グローバルに活躍できる(したいと思っている)人材だと受け止め、魅力的に感じるのです。

社会人になってからも続く『人生における』メリット

ここでは、学生から社会人目線に視点を変え、
人生を通じて感じられる中期留学のメリットを4つ紹介します。

海外の文化に触れて理解できる

多くのことを知っている人/視野が広い人というのは、どこに行っても魅力的です。

島国である日本で普通に生活していると、どうしても日本の文化しか理解できません。
また、1週間ほど海外旅行へ行ったからといって、その土地の文化を理解するのは無理でしょう。

現地のアパートに住み、スーパーで買い物をし、ゴミ出しをしてみないと分からないことは多くあります。
また、外国人研究者と同じ目標に向かってプロジェクトを進める中で、ふと感じる文化の違いもあるはずです。

海外文化について、実体験をもとにして理解することは、知識が増えるだけでなく、他者を理解する視野の広さにも直結します。

外国人への接し方が変わる

街で外国人に話しかけられそうになったら、皆さんはどう感じるでしょうか?
「英語ができないから何か聞かれても困るな…」とか「急に話しかけられたら怖いな…」と感じる人は多いと思います。

たつ吉

実際私も、留学前はそうでした

一方で、日本人と同じように外国人とも接することのできる人、格好良くないでしょうか?
多くの人が「魅力的だ」と感じるはずです。

これは、本人の性格といった先天的な要因も大きいです。
ただ、経験によってもこの「格好良い人」になることができると考えています。

たつ吉

その経験とはそう!海外留学ですね!

まず、留学によって英会話力が上がり、海外文化への理解が深まることで、外国人と接するハードルが下がります。

そしてさらに重要なのは、
海外留学で、「自分自身が外国人として受け入れてもらった経験
をする」という点です。

留学中は、あなた自身が外国人なわけです。
そしてあなたの生活は、現地の人に助けてもらい、受け入れてもらってようやく成立します。

数か月もの間、海外で生活できたとして、それは自分自身だけの力ではありません。
その間、周りの人たちが親切に接してくれ、困っている自分を助けてくれているはずです。

そして、この経験は「日本にいる外国人も同じように不安や戸惑いを感じている」というのを理解するのには十分過ぎます。

外国人を特別だと感じなくなれば、いちいち身構えなくても自然に接することができます。

あなたがこのような人であれば、外国人の仕事仲間からは好かれ、周囲からも尊敬の眼差しを向けられることでしょう。

海外でも生きていけるという自信が手に入る

海外生活を成立させ、無事に帰国できた経験は、「どこでも生きていける」という自信をもたらします。

この自信は生活だけでなく、日常の困難でことごとく効力を発揮します。

例えば(これは普段の筆者のマインドです)↓

  • 旅行中に財布を落としたけど、まぁ何とかなるか
  • 上司が意味不明だけど、まぁそういう人もいるか
  • 出張先で急に携帯が壊れたけど、まぁなるようになるか

「大変だ」と思うことへのハードルが上がるという表現が正しいかもしれません。
並大抵のことでは焦ることなく、おおらかなテンションで物事に対応できるようになります。

海外で仕事をするチャンスが増える

企業や研究機関で働く場合、海外業務を任されやすくなるというのもメリットの一つです。

もちろん、海外留学を経験したからといって、必ず海外出張や海外駐在を任されるわけではありません。
しかし、会社側が海外業務を任せる人を選ぶ際に、留学経験があることは一つの安心材料になります。

たとえ大企業であっても、海外に社員を送り出すというのはハードルの高いことです。
つまり、海外業務を任させること自体が、会社からの信頼の厚さを物語っているとも言えます。

さらに、海外業務での経験や成果は、周囲からのさらなる信頼獲得やキャリアアップにも繋がっていきます。

留学のメリットを最大化する方法

ここでは、博士課程の中期留学で得られるメリットを最大化するために意識したいポイントを紹介します。

同業研究室への留学は避ける

博士課程の中期留学は、広い意味での研究スキル向上を目的としています。
これは、環境や関わるメンバーを変えることで、半ば強引に知見や視野を拡大させるイベントとも言えます。

にもかかわらず、「日本で研究しているのとあまり変わらなかった」と帰国後に話す学生は意外と多いです。

その原因は、所属研究室と同じような研究を行う『同業研究室』を留学先としたためです。

同業研究室への留学では、見たこともない設備に触れたり、目新しい調べものをする機会はあまりありません。
従って、知見や視野の広がりが、かなり限定的なものに留まってしまいます。

留学先として同業研究室を選択する方が、事前準備も現地での研究生活も楽なものになるのは確かです。

それでも、めったにない成長機会です。
可能であれば、普段とは異なる研究対象を扱う研究室を選ぶように意識してみて下さい。

少し無理をしてでも外に出る

そもそも海外留学には、語学力向上と異文化理解 という基本目的があります。

それなのに、「お金がもったいないから」「だらだらしたいから」と家にこもっていては、本末転倒です。
自分の部屋にいても、実用的語学力の向上や異文化理解は期待できません。

いつもと違う環境で生活するのはそれだけで体力を消耗します。
本当に疲労している休日は、家でゆっくりするのも悪いことではありません。

でも家の中でのんびりするのは、日本にいてもできることです。
動けそうなら、行動して留学中の体験数を増やすことをおすすめします。

恥ずかしながら、筆者は両親に頼み込んで、留学中にお金を借りました。
別都市や隣国へ旅をし、現地のレストランで食事をする体験をしたかったためです。

今となっては、あの経験こそがもっとも留学で自分を成長させたと感じ、満足しています。

たつ吉

もちろん就職後すぐにお金は返しましたよ!

情報発信をする

海外留学は、間違いなく一生モノの経験になります。
今でも留学を回想すると「有名な建造物に行った」「美味しい郷土料理を食べた」とあれこれ思い出します。

ですが、毎日の何気ない食事や、度々立ち寄った近所の公園、当時の自分が何を感じてどう思ったか?などについては、年々記憶が薄れています。

たつ吉

人間の記憶というのは儚いものですね…

留学は誰にでも経験できるイベントではありません。
思い出は鮮明に残しておきたいものです。

思い出を記録しておく方法としては、日記やSNSへの投稿など方法は色々あります。
一方で、筆者がおススメしたいのは『ブログを通じて情報発信すること』です。

特におススメなのは、ブログを作成して研究室のメンバーに公開することです。

ブログをおススメする理由は↓

  • 無料で誰でもすぐに始められる
  • 画像/動画/文字の組み合わせが自由で、字数制限などもない
  • 発信するため、写真を撮ろうという意識が芽生える(これが無いと写真を撮らない人向け)
  • 研究室メンバーが見ているため、定期的に記事更新する必要があり、たくさんの記事を残せる
  • データはweb上に残るので、いつでもどこからでも見返すことができる

他にも、留学準備や苦労したポイントなどもブログ上に残しておけば、次年以降に留学に行く後輩の助けにもなります。

たつ吉

優秀な先輩は、こういうところも抜かりなくやっていますよね!

先輩がやっていたのをマネして筆者も留学ブログを作っていましたが、今となっては当時を思い出す最強のツールになっています。
記事更新は結構大変でしたが、当時の自分に感謝しています!

留学中に作成していたブログをこちらで公開しているので、是非見てみて下さい▼

理解できなかった表現を翌日使ってみる

留学に対する淡い幻想として「留学すれば英会話スキルが驚くほど向上する」というのがあります。

ですが、海外でただ生活しているだけでは、期待ほど英会話力は向上しません。
留学先でも英語の勉強をする必要があります。

とはいっても、海外でTOEICの勉強をしましょう と言っているわけではありません。

大事なのは、日々の会話の中に潜む「分からなかった表現」をそのまま放っておかないことです。

より具体的には↓

  • 会話の中で知らない単語や言い回しが出てきた際、「今なんて言ったの?」と聞き、メモを取る
  • メモに書き込んだ内容の意味/どんな時に使うのか?を自分で調べる
  • 次の日にその単語や表現を会話の中で使ってみる

留学中にこれをやるか/やらないかで、帰国後の英会話力には雲泥の差が生じます。

毎日これを意識して継続していると、「そういえば、最近分からない表現が少なくなってきたぞ」と、自分の成長を実感できる瞬間が訪れます。

まとめ:留学には人生を豊かにする魅力がある!

今回は、博士課程の中期留学が、
筆者の人生にどのような影響を及ぼしているか について解説しました。

この記事で分かったこと
  • 留学で培った経験は、博士人材に求められる研究スキルや人間としての魅力を向上させる
  • 留学経験は就活でも有利に働く
  • 外国人と共に仕事をした経験は、社会人になった後の視野の広さや他者理解の深さを強化してくれる
  • 少なくとも筆者の人生においては最高の思い出となっている

たつ吉

この記事が、誰かの背中を押す助けになれば嬉しいです!

以上、工学博士サラリーマンのたつ吉でした
最後まで読んでいただきありがとうございました!