こんにちは、工学博士サラリーマンのたつ吉です!

この記事では研究に携わる学生に向け、
論文を読むとどんな良いことがあるのか?について解説していきます。

たつ吉

私は学士~博士の間で1000報以上の論文を読んできました!
「その間に感じた私自身の変化」と「積極的に論文を読んでいた周囲の学生を見てきた経験」を踏まえて説明します!

本記事は以下のような学生におススメです↓

  • 研究室配属されて「これから研究を頑張るぞ!」と意気込んでいる人
  • 輪講や雑誌会の時にだけ論文を読めば十分だと考えている人
  • 「もう少し研究室内で存在感を発揮したい…」と思っている人

慣れていない間は、論文を読むという行為自体かなりの労力ですよね。

博士進学を考える学生や、とにかく研究好き といった学生でない限り、
明確なメリットでもないと「頑張って論文を読もう」という気にはならないでしょう。

一方で、頑張って読むものだからこそ、論文には研究スキルを大きく向上させる力があります。

そして、研究スキルの高い/低いは、『研究室での活躍度合』や『就活結果の良し悪し』に直結します。

この記事を読めば、論文を読むことがどれだけ有益な行為であるかをばっちり理解できるはずです。

たつ吉

この記事が、学生の成長を後押しするきっかけになれば嬉しいです!

なお、「数多ある論文のうち、まずどれから読み始めれば効率良く勉強できるのか知りたい」という人に向け、最初に読むべき一報は何か?をこちらの記事で詳細に解説しています。

是非参考にしてみて下さい▼

論文とは?

論文とは、研究活動によって得られた新たな知見を論理的にまとめた文書のことです。

たつ吉

なお、学術論文というのが正式な呼び名ですが、研究の現場では単に「論文」と略して呼ぶことが多いです。

もう少し踏み込んで説明すると、

  • なぜその研究をしようと思ったか(背景)
  • どんな設備/手順で研究を行ったか(方法)
  • どんな知見や成果が得られたか(結果)
  • その結果をどのように解釈しているか(考察)
  • 得られた結果は社会にどんな影響を及ぼすか(結論)

↑のようなストーリーに沿った形で記述した、A4サイズ数枚~数十枚くらいの文書が論文です。

作成された論文は、
論文雑誌を作成する出版社に集められ、紙の刊行物やweb文書として世界中に公開されます。

また、論文を作成することには、以下の目的があります。

  • 新たな知見を広く社会に展開し、他の研究者の活動に役立ててもらう
  • 自身の研究成果を文書化して後世に残す

より大きな視点で考えると、「長期的に人類の科学の進歩に貢献する」という大きな役割が論文にはあります。

たつ吉

やや大袈裟な表現ですが、論文を通じて世界中の研究者たちが学び合い、刺激し合っているのは紛れもない事実です!

論文を読むことで得られる5つのメリット

次に、論文を「読まない自分」から「読む自分」になると、どんな良いことが起こるのか?について説明します。

筆者の経験上、論文を読むことには以下5つのメリットがあります↓

論文を読むことで得られるメリット
  • 担当テーマで成果が出やすくなる
  • 研究室内で頼られる人になる
  • 学会発表や論文作成のチャンスが増える
  • 就職活動が上手くいきやすくなる
  • 卒論/修論の作成スキルが上がる

特に①~④については、この数字の順に効力を発揮していくイメージです。

論文を読むことで得られるメリット

「いやいや、論文を読むのと就活は無関係でしょ(笑)」と思った人もいるかもしれません。

確かに、<読んだ論文数>と<就活での内定数>が比例するかと言えば、しないでしょう。

ただ、研究室生活において「論文を読んで過ごした自分」と「論文を読まずに過ごした自分」で比較すれば、間違いなく「読んだ自分」の方が就活で高い成果を上げることになります。

その理由を以下で順に説明していきます。
「いやいや」と言わず、ぜひこのまま読み進めてみてください。

①担当テーマで成果が出やすくなる

これは、論文を読むメリットとして最もシンプルです。

そもそも論文は公的文書なので、作成時には守るべき以下のようなルールがあります↓

  • 結果の捏造やデータ改ざんが無いこと
  • その分野の基礎知識を持つ人が読んで内容を理解できるよう、客観的かつ明確に記述されていること
  • 論文記載の手順で実験すれば、必ず報告者と同じ結果が得られること

すなわち論文には、研究者が試行錯誤の末に見出した効率的な実験手法や思考プロセスが、正直かつ丁寧に書かれている ということ。

そんな論文を読み、研究に関する知見や理解を深めれば、自身の担当テーマにおける成果(アウトプット)の質/量ともに高いものになっていきます。

なお、より具体的な効果としては、以下のようなものが挙げられます↓

  • 効率の悪い自分流の検討方法から脱却する気付きが得られる
  • 「自分のテーマでもコレやってみたら面白そう」というアイディアが得られる
  • 担当テーマと、別の研究事例とを組み合わせることで新しい研究テーマが生まれる

ちなみに世に出ている論文の大半は、
優秀な修士学生/博士学生/アカデミア(大学教員や公的機関研究員)が作成したものです。

そして通常、論文を1報作るのには、実験と執筆活動を合わせて数年レベルの時間がかかります。

つまり論文を読むというのは、数十分~数時間の読書を通じて、自分より経験豊富な研究者が長い時間をかけて行った研究活動を仮想体験し、効率良く知見を得られる行為だと筆者は考えています。

たつ吉

論文って、すごく有難いツールですよね!

②研究室内で頼られる人になる

研究室内で頼られる人とは、どんな特徴のある人でしょうか?

  • 担当テーマでたくさん成果を出している人
  • 効率的な実験方法や、効果的な分析手法などをよく知っている人
  • 過去の研究事例に詳しい人

たつ吉

これらは、まさしく論文を読むことで身に付けられる特徴と言えそうですね!

また、頼りにされる人は周囲から日々、多くの質問や相談をされることになります。

そしてこれらに応える中で、自身の知識や理解はより一層深まって、さらに自身の担当テーマでの成果も良質なものになっていくという好循環の中に身を置くことができます。

頼りにされる人というのは、このようなサイクルの中で、加速度的に研究スキルを向上させていくのです。

③学会発表や論文作成のチャンスが増える

学会発表や論文作成といった公的発表に関わるチャンスは、研究室内で活躍している人物に集中します。

この理由は、大学教員の立場から考えれば分かりやすいです。
例えば、あなたが大学教員で、自身の研究室の学生を一人選んで学会発表させる場合を想像してみて下さい。

  • 発表に値する十分な研究成果がある
  • 知識豊富で、発表時の質疑応答の際も的確な回答ができる
  • 学会で取集した情報を研究室に持ち帰り、参加できなかったメンバーに共有してくれる

↑のような学生を選ぶのではないでしょうか?

たつ吉

これらは、論文を読んで成果を上げ、頼りにされている人物の特徴ですよね!

公的発表は、研究室を代表し、その看板を背負って行うイベントです。
教員からすれば、研究データや所属学生の質を対外的にアピールする場でもあります。

また、参加費や申請費といったコストもかかります。

研究室の運営者である指導教官たちが、頼れる優秀な学生にチャンスを与えるのはごく自然なことです。

④就職活動が上手くいきやすくなる

特に、研究/開発職志望で就活をする場合、論文を読む人材は良い結果を出しやすい傾向があります。

たつ吉

筆者はいわゆる大手メーカーで研究をしていますが、「学生時代に論文なんか読んだことない」という人、周囲にはいないですよ!

この理由を正しく理解するためには、以下の2つを知っておく必要があります。

  • 企業はどんな人を求めているか?
  • 就活で「論文を読む人」はどう評価されるのか?

順番に説明していきます。

企業はどんな人を求めているか?

企業の目線で考えてみましょう。

もし研究職採用した人材が入社後、以下のような人だと分かったら、企業側はどう思うでしょうか?

  • 現場で教えてもらうだけで、自分では全く調べたり勉強したりしない人
  • 自分の担当テーマ以外には全く興味を持たない人
  • 「仕事はお金を稼ぐ手段でしかない」という価値観を持ち、必要最低限の仕事しかしない人

十中八九、「この人を採用したの、失敗だったな…」と思うでしょう。

実際、企業は与えられた仕事だけをゆるゆると消化するような人材は求めていません。

企業が求めるのは、与えられた役割の中で想定以上の成果を上げ、期待以上の成長を遂げる人材です。

採用活動で企業が重要視するのは、就活生がそのような成果/成長を期待できる人材かどうかなのです。

たつ吉

企業目線で考えれば、当然のことですよね!

就活で「論文を読む人」はどう評価されるのか?

そもそも、大学/大学院を卒業するという目的を達成するのに、「研究室で活躍する」「論文を読む」必要はありません。
指導教官の指示に従い、最低限のデータだけ揃えれば卒業できます。

にもかかわらず、論文を読んで研究への理解を深め、研究室内で活躍できた人。

これはまさに、企業が求める「与えられた役割以上の成果と成長の人材」に一致し、就活で高く評価されます。

実際、研究/開発職採用のエントリーシートに、学会発表や発表論文等の実績を記載する欄を設けている企業も多いです。

また、面接でよく聞かれる質問として、以下のようなものがあります↓

  • 研究室内で、あなたはどのような立場でしたか?
  • 競合する他の研究と比較した場合、あなたのテーマの差別化ポイントは何ですか?
  • 担当テーマの今後の展望について、何か新しい案などはあるのですか?

これらは「役割以上の経験や知識」を問うための質問として、面接で本当によく聞かれる内容です。

論文を読んだり、学会参加を経験するなどして自身の研究を客観視できていないと、スムーズに返答するのは難しいでしょう。

なお、採用面接でよく聞かれる質問と好印象な回答のポイントについては、こちらの記事で解説しているので、是非参考にしてみて下さい▼

⑤卒論/修論の作成スキルが上がる

卒論/修論の作成は、学生生活の締めくくりとして最も時間と労力を費やすイベントです。
誰もが、できるだけ早く・きれいに終わらせたいと思うことでしょう。

たつ吉

ギリギリまでかかって卒業旅行に行けない…なんてイヤですからね!

そこで、まず前提を確認しておくべきなのは、卒業論文や修士論文は、名前の通り『論文』だということです。

これらの文章構成は、背景/実験方法/結果/考察の順であり、これまでに説明してきた論文となんら変わりません。

卒論や修論の作り方の王道は、
書き方の参考になりそうな論文を探し、それを参考にする(マネする)方法です。

なので、論文を読まない人は、卒論/修論のタイミングでイチから参考論文を探し始める必要があります。

一方で普段から論文を読む人は、参考論文の手札をすでに持っているので、それを活用してすぐに卒論/修論を作成開始できる状態にあります。

また、論文を読む人は、論文の文章構成に普段から触れているため、「まず何から書けば良いのか・・・?」といった初歩的なところで躓くこともないでしょう。

この差は、卒論/修論の作成速度だけでなく、その完成度となって目に見えて現れます。

たつ吉

「こんなことなら前々から論文読んどけば良かった…」と嘆く人が多いです

まとめ:論文を読んで充実した研究室ライフを送ろう!

論文を読む学生

今回は、論文を読むことで得られるメリットについて解説しました。

この記事で分かったこと
  • 論文は、優秀な研究者たちの知識やノウハウを学べる最高のツール
  • 論文を読むことで、知識が増え⇒担当テーマで成果が出て⇒研究室内で活躍できる
  • 研究室で活躍できる人は、就活も上手くいきやすい

本記事で紹介したメリットは、論文を読む習慣を長く続けるほど高い効果を発揮します。

ただ、意識的に数日間やってみるだけでも、明確に自分の成長を感じられるはずです。

ぜひ論文を「研究室生活のやりがいと志望企業の内定確率を上げてくれるツール」と捉えて読んでみて下さい。

たつ吉

この記事が、学生のポジティブな学びのキッカケになれば嬉しいです!

以上、工学博士サラリーマンのたつ吉でした
最後まで読んでいただきありがとうございました!