こんにちは、工学博士サラリーマンのたつ吉です!
この記事では、研究/開発職での就職を考えている理系学生に向け、
「就活で求められる能力の伸ばし方」について解説していきます。
- 理系就活で求めれられる7つの能力
- 企業が『7つの能力』を重要視する理由
- 『7つの能力』の伸ばし方
これから就活を始める人や、今まさに就活中の人で、
「企業はどんな人材を採用したいと感じるのか?」をイメージできている人はどれくらいいるでしょうか?
大事なのは、
・出身大学?
・学会や論文といった業績?
・広い意味でのコミュニケーション能力 でしょうか?

たつ吉
すべて合ってはいますが、もう少し解像度を上げておきたいところですよね…
実際、最近の民間企業採用では、
『大学や所属研究室よりも、その人が持つ能力』を重視する流れが強くなってきています。
つまり、企業が欲する能力をしっかりとイメージし、意識的に伸ばすことができれば、学歴や業績に関係なく志望企業へ入社できるということです。
とは言っても、必要な能力を具体的にイメージできないことには、伸ばしようがありませんよね。
そこで本記事では、
総合化学メーカーで研究職/開発職の両方を経験した筆者が、
「この就活生は優秀だ」と感じる人材に共通する能力と、その伸ばし方を具体的に紹介します。

たつ吉
イメージをつかんで、今日から能力アップしていきましょう!
この記事が、就活準備のちょっとしたヒントになれば嬉しいです!
なお、技術系の採用面接でよく聞かれる質問と好印象な回答のポイントについては、こちらの記事で解説しているので、是非参考にしてみて下さい▼
理系就活で求めれられる7つの能力
まずは、技術系採用で重要視される能力について説明します。
ずばり、企業が就活生に求める能力は以下の7つです。
- 研究能力
- 問題解決力
- コミュニケーション能力
- 状況判断力
- リーダーシップ
- 向上心
- 資料作成能力
これらの能力は、バランスが大切。
どれかだけに尖っていても魅力的ではなく、どれかが大きく凹んでいると就活では致命的です(理由は次の章で説明します)。
全体像を軽く説明すると↓
研究職/開発職を希望する以上、①研究能力は当然必須です。
また、担当テーマを進める中でぶち当たる困難を突破して成果を上げ(②問題解決力)、営業や製造といった別部署とも連携しながら、製品を世に出していくことが求められます(③コミュニケーション能力)。
バックグラウンドの異なる人たちと一緒になってモノを作るためには、「相手の立場や知識レベルに合わせた説明」「やるべきことの優先度決め」といった、その場その場での迅速な④状況判断力も必要です。
実務で経験を積んだら、次は後輩を育てたり小チームを運営することになります(⑤リーダーシップ)。
テーマ推進やチーム運営の中で、理不尽や苦しい状況に四苦八苦することでしょう。しかし、どんな状況でも「これも学びに繋がる経験!」とポジティブに挑める人材だけが、会社の成長エンジンとなります(⑥向上心)。
さらに、会社仕事の半分は会議といっても過言ではありません。会議で必須となるのが、自分の考えを相手に理解させるための道具(資料)を作る力(⑦資料作成能力)です。

たつ吉
シンプルですが、この7つの能力があれば企業で十分活躍できます!
なお、企業が「採用したい!」と感じる人材像については、こちらの記事でより詳細に解説しているので参考にしてみて下さい▼
企業が『7つの能力』を重要視する理由
次に、なぜ企業は先述の『7つの能力』を重要視するのか?について説明します。

たつ吉
理由がイメージできると、「能力の伸ばし方」の方向性が明確になりますからね!
独自性の高い/良い製品を生み出すことが使命だから
理系企業の使命は言わずもがな、「良い製品を生み出して顧客ニーズを満たすこと」です。
既存製品だけを作り続けて生き残れるほど市場は甘くありません。
製品を常にアップデートしたり、新製品を生み出し続けないことには、会社は潰れてしまいます。
また、「このような製品は、この会社しか作っていない」なんてこともありません。
ほぼすべての場合で類似製品を扱う競合他社が存在し、常に顧客の奪い合いをしています。
すなわち、競合より早く独自性/品質の高い製品を作ることが、会社を維持・成長させるためには必須です。
新製品をスピーディに生み出すためには、
高い研究能力をベースに、問題解決力やコミュニケーション能力も高い人材を採用しなければならないのです。
研究費や人件費を削減して利益を最大化するため
理系学生が研究室で実験する場合、研究費は国から出ています。
では、企業の研究/開発費はどこから出ているでしょうか?
答えは、「自社の売り上げの一部を研究費として使っている」です。
つまり、研究費は企業の財布から出ています。
企業は、新たなモノを生み出すための研究費と、研究する従業員の人件費の両方を負担しています。
規模にもよりますが、大企業であれば、毎年何十億円もの資金をこれに投じます。

たつ吉
経営者は何とかしてこの資金を節約したいと常に考えています
これら資金の節約方法は極めて単純です。
それは仕事のできる優秀な人材を雇うことです。
仕事のできる人材は、少ない研究材料を使い、短い労働時間で成果(利益)を最大化します。
前章で説明した「7つの能力はバランスが大事」というのは、特にここで効いてきます。
例えば、研究能力が極端に高くてもコミュニケーション能力が低ければ、技術を製品化まで結び付けられません。
「研究職なんだから研究能力だけあれば良いだろ!」と思うかもしれませんが、企業の研究はチームプレイ。
7つの能力のうちのどれかが欠けると、たちまち「仕事ができない人」になってしまいます。

たつ吉
私も学生時代は「研究能力だけあればOK」と思ってましたが、入社後にその考えは甘かったと実感しました…
出世志向の低下に悩まされているから
働き方改革や多様性が叫ばれる昨今においては、「できるだけ出世したくない」と考える若者が多い みたいな話は有名ですよね。
筆者も現場でその風潮は強く感じています。
実際、「できるだけ人の上に立ちたくない」「仕事はお金を稼ぐただの手段」と考えている同僚は多いです。
しかし、企業は組織。
優れたリーダーなくして、統率の取れた組織運営は無理と言って良いでしょう。
組織を率いることのできるリーダー人材が減ってきているからこそ、リーダーシップの強い人材は今後一層強く求められることになります。
AIの急速な進化により、個人の能力が改めて重要視されてきているから
すでに多くの企業がAIを使って仕事をしています。
実際、最近のAIは本当に有能で、あらゆることがAIである程度できてしまいます。
しかもAIは数千円/月くらいの値段で使用可能。
つまりAIは、『ある程度のクオリティの仕事』ができる格安従業員になりつつあるのです。
となると、最低限のことはできますというレベル感の人であれば、わざわざ雇う気にはなりません。
AIが苦手とする部分をしっかり補える人材でなければ価値はどんどん下がっていきます。
例えばAIは、あなたが出席する会議の参加者一人ひとりの性格を把握しているわけでも、場の空気を察して説明の仕方を変えられるわけでもありません。
また、自信満々で間違った情報を提供したりもします。
これからの時代は、
AIに適切な指示を出し、AIの間違いに気づいて正せる人材こそが真に求められます。
向上心をもつ人材だけが組織の成長エンジンだから
企業が最も扱いに困る人材は、向上心の無い人/失った人です。
ありがたいことに、ほとんどの日本企業が減給制度を設定していません。
つまり、めちゃくちゃにサボっていても給料が下がることがないということです。
また、働きが悪いからと会社側が従業員を一方的にクビにすることもできません。
頑張らなくても、生活に困らないだけのお金がもらえて、失職もしないとなれば、向上心(やる気)を失ってしまう人が発生します。

たつ吉
どんな有名企業でもそういう人は一定数いるんです…
やる気のない人は、単に給料泥棒として悪質であることに加えて、周囲のモチベーションを下げるという負の力も持っています。
一方、やる気のある人は周囲を前向きな雰囲気でけん引し、組織を成長させる力強いエンジンとなります。
学生生活の中で、「自分や組織を成長させるために!」と努力できた人は、やっぱり魅力的です。
唯一の成長エンジンである「やる気のある人材」を企業は常に欲しているのです。
『7つの能力』の伸ばし方

前談が長くなってしまいましたが、次に『7つの能力』の伸ばし方を詳しく解説していきます。
あらかじめ断っておきたいのですが、
企業は7つの能力がオールA判定みたいな人材だけを求めているワケではありません。
足りない能力があっても、育てれば伸びるだろうと期待できれば採用します。
なので、少しくらい心配な能力があるとしても、得意な能力で補えれば良い という力加減で問題ないことを忘れないでください。
ここからの説明は、得意を伸ばすというよりも、苦手な部分を伸ばすためのアドバイスに近いです。
「確かにちょっと不安な能力があるな」と思った人は是非参考にしてみて下さい。
では、一つずつ見ていきましょう。
研究能力の伸ばし方
研究能力とは、研究開発で成果を上げるために必要な以下のスキルを総合したものです。
- 化学や物理などの基礎知識
- 文献調査スキル
- 評価/分析スキル
- 研究室で培った専門知識
就活を始める段階での研究能力は、研究室でのテーマ推進の中でしか伸ばせません。
いくら座学を極めても、企業が求める「製品を生み出すための実践的な研究能力」は育たないからです。
これを踏まえて、研究能力を伸ばす方法を2つ紹介します。
- 研究を好きになるために行動する
- 研究能力が高いことで得られるメリットを理解する
研究を好きになるために行動する
好きで研究すること以上に研究能力を伸ばす最高の手段はありません。
すでに「研究大好き!」という学生は、心配ないでしょう。
このまま好きな研究に情熱を注げば、おのずと研究能力は上がっていきます。
一方、今のところイマイチ研究が好きになれない...という人は、研究を好きになるための行動が必要です。

たつ吉
案外ちょっとしたきっかけで、研究好きに変われるものですよ!
筆者のおススメは、学会に発表者として参加することです。
最初は、地方の若手会のような小規模学会のポスター発表に出てみるのが良いでしょう(思っている以上にハードルは低いので安心して下さい)。
学会では、あなたの研究について他者が興味を持って質問してくれたり、アドバイスしてくれたりします。
また、他者の発表を聞くことで、自身のテーマに通ずるアイディアを得たりもできます。
他者が興味を持ってくれたり、他の研究に触れるたりすることで、「この研究結構面白いのかも!」と良い刺激を受けることができます。
これは極端な提案ですが、それでも現在の研究テーマに興味が持てないなら、思い切って研究室変更(編入も含む)も手段として悪くありません。

たつ吉
興味を持てないのはあなたのせいではありません。自分にあった研究テーマを探しに行きましょう!
研究室変更により、興味が持てるテーマに巡り合えるかもしれません。
実際のところ、研究室変更や編入が就活で不利になるようなことはありません。安心して下さい。
研究能力が高いことで得られるメリットを理解する
生涯賃金や給与面を考えて研究職を選択したいが、正直研究好きという感じではない という人も多いことでしょう。
その場合は、研究能力が高いことに明確なメリットを感じる必要があります。
メリットのためとは言え、たくさん研究すれば研究能力は上がります。
この記事(および関連記事)を見てくれている人は、すでにメリットを感じているかもしれません。
それ以外にも、就職した卒業生に話を聞くなどして「実際どれくらいのメリットがあるか?」を実感し、打算的でも利益を得るために研究を頑張るのも良い手法だと思います。

たつ吉
ナイショですが、実際に研究職は給料高めです。また好待遇な企業も多いですよ。
問題解決力・向上心の伸ばし方
問題解決力と向上心を伸ばす方法は、
「自分の行動により自身や組織の問題が解決し、周囲からの評価が上がっている状態を想像する」です。
これは行動の一つ手前の、マインドの話です。
正直なところ、何とかしようと本気で頑張れば、大体の問題は解決します。
もしくは、解決しないにしても大きく改善はするはずです。
ということは、問題を解決する力≒やる気(向上心)ということ。
やる気を出して行動に移せれば、これら二つの能力が上がっていきます(向上心があるからこそ行動できたのだと、面接で話すことはできます)。
前節の研究能力の伸ばし方と重複する部分ですが、
やる気を出すには、行動の先で待っているメリットをリアルにイメージするのが最も効果的。
「ここで頑張れば、自分や組織が良くなる。そしたら面接で話せるエピソードが増えるな」という打算的な考えでも大丈夫なので、実践してみましょう。
行動に伴って、能力そのものが知らず知らずのうちに伸びていきます。
コミュニケーション能力の伸ばし方
コミュニケーション能力の伸ばし方は、
「話を聞くこともコミュニケーション能力である」を理解することです。
よくある勘違いですが、コミュニケーション能力が高い=言葉巧みに面白い話ができる ということではありません。
それだけなら、ただのオシャベリさんです。
- 笑顔で頷きながら聞く
- 適切な相槌を打ちながら聞く
- それでそれで?と興味ありそうに質問をする
どれも聞き方の作法ですが、相手に気持ちよく話をさせるためには必須の行動です。
相手が話したくなる空気を作れれば、場の会話は盛り上がり、議論も深まります。
円滑なコミュニケーションには、話すことだけでなく聞くことも本当に重要。
聞くことを意識することで、あなたのコミュニケーション能力は格段に向上します。
就活という観点では、面接官に対する話の聞き方や、逆質問のタイミングでこの「聞く力」が試されます。
逆質問については、こちらの記事で詳しく説明していますので、是非参考にしてみて下さい▼
状況判断力の伸ばし方
状況判断力を伸ばす方法は、「常に相手が喜ぶことを想像する考えるクセをつける」です。
自身や周囲の状況を正確に判断し、最適な意思決定を行うスキルが状況判断力です。
ただし、判断するだけではないことに注意してください。その次の行動まで含めてこの能力です。
より具体的には、以下のような場面でこの能力を使います↓
- 相手の立場や知識レベルを判断し、使う言葉や説明の順序を調整する
- 臨機応変に、次やるべきことの優先度を素早く判断する
- 打合せ等で、質問の意図を正確にくみ取って的確に回答する
つまり、状況判断力が高い状態とは、
相手や組織が何を求めているかを察して、「こうなってたら嬉しいんだよね」という回答や行動を起こせる状態です。
入ってきた情報をただ受け取るのではなく、次にどうなってたら嬉しいのか?どういう返答だったら相手は助かるのか?を考えるように意識してみて下さい。
このような先回り的な行動や言動が取れるようになれば、あなたの状況判断力は格段にアップします。
リーダーシップの伸ばし方
リーダーシップを伸ばす方法は、「自分にあった規模のリーダーをやってみる」です。
就活で、自身のリーダーシップについて聞かれても、「特にリーダー経験ないしなぁ…」
と思う人、多いんじゃないでしょうか?
多くの就活生が、リーダーシップ=部活の部長やバイトリーダーといった、比較的大きな規模でのリーダー経験のことを想像します。
確かに大集団の中でのリーダー経験は貴重で、素晴らしいです。
ただ、就活で問われるリーダーシップは、何も大規模なものだけではありません。
極端に言えば、自分以外の誰かをリードした経験があれば、それはリーダーシップを発揮した経験と言えます。
例えば、研究室で同じテーマをやっている後輩の指導をしているというのも立派なリーダーシップ経験。
採用面接でエピソードトークとして話して全く問題ないです。
現段階では、あなたのリーダーシップの対象はたとえ一人でも、一人を引っ張れる人は経験を積めば二人三人と引っ張っていくことができます。
先述の通り、企業は「育てればちゃんと成長するか?」という見方でも就活性を評価しています。
まだ、誰のこともリードしたことがない人は、まずは一人に対してで良いのでリーダーシップを発揮できるようにしましょう。
資料作成能力の伸ばし方
資料作成能力を伸ばす方法は、「うまい人を見つけてマネする」です。
最後の項目にして極めてシンプルですが、意外とやれていない人が多いです。
「資料の作り方が上手いね」と他者から言われたことがない人は、積極的に自分から上手い人のマネをしましょう。
周囲に資料を上手く作れる人は一人くらいはいるはずです。
先輩や友人にいないなら、指導教官でも良いでしょう。
資料作成能力は先天的なセンスではありません。完全に技術です。
どんなに資料作りが上手い人も、最初はマネから入っています。
指導教官まで範囲を広げても、マネしたいような人がいなければ、AIをマネてみて下さい。
「〇〇という事柄について、中学2年生でも分かるような資料を作成して。説明時間は5分くらい」といった感じで指示をして、出力された資料は、あなたが作った資料よりはるかにキレイで分かりやすいはずです。
まとめ:『7つの能力』を伸ばして魅力的な人材になろう!

今回は、「就活で求められる能力の伸ばし方」について解説しました。
- 理系の就活で特に求められる『7つの能力』は、入社後に活躍するために必要な能力
- 企業が『7つの能力』を重要視するのは、これらの能力を持つ人材が利益を生み出すと期待するから
- これらの能力はバランス良く備わっているのが重要。どれかだけに尖っても凹んでも魅力は半減する
- 少し意識を変えて行動するだけで、『7つの能力』は大幅に向上する
就活で内定をサクッと取ってしまう人と、苦労する人の差は、生まれつきの才能では無くテクニックです。
テクニックは、誰かに教えてもらって少し練習すれば、ある程度身に付きます。

たつ吉
是非この記事を読んだ直後から、少しずつでも練習を開始してみて下さい!
この記事が就活準備のちょっとしたヒントになれば嬉しいです!
以上、工学博士サラリーマンのたつ吉でした
最後まで読んでいただきありがとうございました!
